”大腸がん新個別化治療プロジェクト”は先端医療研究開発機構(iACT)流動プロジェクトの一つとして2019年10月 1日に発足しました。
  大腸がんの治療成績は手術手技や化学療法の進歩によって年々改善していますが、遠隔臓器に転移した場合の予後は未だ不良です。化学療法は個々の患者さんごとに最適な抗がん剤(レジメン)を選択することが理想ですが、従来の診断で得られる情報からその効果を正確に予測することは困難です。私たちはこれまでに、手術で摘出した大腸がん組織からスフェロイドと呼ばれるがん細胞の塊を培養する技術を開発しました(スフェロイド培養)。この大腸がんスフェロイドに様々な抗がん剤を作用させ、効果のあったものを選択して患者さんに投与することで化学療法の成績が向上すると期待されています。また、効かないと予想される薬の投与を避けることにより、患者さんの身体的、経済的な負担を軽減することができます。
  本プロジェクトは、スフェロイド培養を使った大腸がん個別化診断法の臨床開発を通して転移性大腸がんの治療成績を向上させ、進行性がんの患者さんの福祉に貢献することを目標としています。





     沿革
新着情報
2020/07/22      一覧
山本健人大学院生他の研究成果がCancers誌に掲載されました。本研究では、FGFR(線維芽細胞増殖因子受容体)阻害薬が一部の患者由来大腸がんスフェロイドの増殖を抑制し、新たな大腸がん治療薬の候補となることを示しました。スフェロイドを用いた感受性試験により、FGFR阻害薬が有効かどうかを治療前に予測することができます。
2020/06/15
当プロジェクトは医学研究科E棟から本部構内 総合研究16号館に移転しました。
2019/10/01
医学部附属病院 臨床研究総合センター 大腸がん新個別化治療プロジェクト(流動プロジェクト)は旧医学研究科 遺伝薬理学ユニットの研究内容を引き継ぎ、2019年10月1日にスタートしました。
2018/12/25
山浦忠能大学院生他の研究成果が米国Oncotarget誌に発表されました。本研究では、がん幹細胞スフェロイドから抽出した高品質のDNAを用いて、免疫チェックポイント阻害薬が有効なマイクロサテライト不安定型の大腸がんを正確に診断する方法を開発しました。
2018/09/03
プレスリリースを行いました。患者由来大腸がん幹細胞培養を用いた薬剤感受性試験を開発 -個別化医療の実現へ期待-
2018/07/03
前川久継大学院生他の研究成果が米国癌学会のMolecular Cancer Therapeutics誌に発表されました。本研究では、がん幹細胞スフェロイドを移植するPDSXモデルを開発しました。PDSXモデルを用いた薬剤感受性試験では、従来のPDXと比較して試験の精度が高く、期間も大幅に短縮されました。
2018/05/11
青山尚規研究員他の研究成果が日本分子生物学会のGenes to Cells誌に掲載されました。本研究では、不活性型のルシフェラーゼまたは不活性型のEGFPを発現するトランスジェニックマウスを作出しました。これらのマウスを用いると、ルシフェラーゼやEGFPを発現する同系マウスがん細胞を移植した際に起こる免疫反応を回避することができます。
2018/04/24
三好弘之特任准教授他の研究成果が米国Oncotarget誌に掲載されました。本研究では、患者の大腸がん摘出標本からがん幹細胞スフェロイドを低コストで効率的に培養する方法と、ルシフェラーゼを用いた簡便な薬剤感受性試験法を開発しました。

がんの分子生物学Ver2