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京都大学医学研究科
 遺伝薬理学ユニット
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事業内容

大腸がんにおけるTrioタンパク質リン酸化を指標とした浸潤・転移の予後予測診断薬と治療法の開発
 私たちは転写抑制因子の一つであるAES (Amino-terminal enhancer of split)の発現量が大腸がん細胞で低下することによってNotchシグナルが活性化し (Sonoshita et al. 2011)、さらにNotchシグナル伝達の下流でタンパク質リン酸化酵素の一つであるAblが活性化することによってがんの浸潤が促進されることを報告しました (Sonoshita et al. 2015)。AblはTrioというタンパク質をリン酸化し、Trioが低分子量Gタンパク質の一つである図1Rhoを活性化することによりがん細胞の運動性が亢進すると考えられます (図1)。この研究で私たちが同定したTrioのチロシンリン酸化(Y2681)をヒト大腸がんで検出したところ、がん組織でリン酸化が陽性であった患者の予後が陰性の患者に比べて 悪いことが分かりました(図2)。よってリン酸化Trioは大腸がん患者の予後を予測するためのバイオマーカーになる可能性があります。 図2